【FC東京フリークの目】クラブユース選手権で得点王を獲得した15歳・久保建英の衝撃

久保建英が試合後の取材に応じた。バルセロナで明日のスターと囁かれ、将来を嘱望されながら、FIFAの国際移籍ルール適用によって無念の帰国

後藤勝| Photo by 木鋪虎雄 Torao Kishiku

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バイタルに入ったら自由にやっていいとは、いろんな方から言われていて

 プレーはかなり整理されている。まずチーム戦術上は、守備で貢献しようという意識をしっかりと持っている。

「先発のメンバーが疲れているときに入ってきているので、みんなよりも負担が軽い。その辺は自分が率先してプレスに行ったりしたいと思っていました。疲れは少しはありましたけどみんなよりは全然少なかったので、そこは全然大丈夫でした」

「(後半は)時間帯的にも守りの時間帯だったこともあり、少しでもチームの雰囲気が替わればなと思い、プレスに行っていました」

 これが守備に関する発言だ。前からプレッシャーをかけに行く範囲はその時点でのラインに応じて決まってくるので、そこから外れて勝手なプレーは慎んでいる。しかしながらアタッキングサードの中央つまりバイタルエリアの辺りでは、創造的なプレーを繰り出していく。

「バイタルに入ったら自由にやっていいとは、いろんな方から言われていて、バイタルに入ったら、自分がふだんの練習とかで培ってきたものを出せればいいかと思っているので、そこはいつもどおりにやっています」

 フィールドを狭く限定した特殊なゲームなら個人戦術のみで戦えるのだろうが、サッカーはそういう競技ではない。フルコートの試合を想定したとき、広い面は走ることとチーム戦術で埋め、バイタルエリアに入ったら狭いなかで技術と個人戦術を発揮する。そういう画を脳内に描き、プレーを切り換える知性が、久保にはあるということなのだろう。

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