[高校サッカー 心を揺さぶる物語]審判になった高校生-後篇-

[高校サッカー 心を揺さぶる物語]全国で本当にあった涙の青春ストーリーを紹介します

監修・執筆 安藤隆人| Photo by Editor|シリーズ:[高校サッカー 心を揺さぶる物語]

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■審判が試合を左右する怖さを経験した

 選手交代のときは、アウトする選手の背番号を交代ボードに表示する。それをアウトとインの選手の背番号を間違えて、インする選手の番号を表示してしまった。主審からにらまれて、慌てて修正した。

 オフサイドだったのに旗を上げなかったこともあった。選手の猛抗議にあったけど、自分の判断を信じて厳しく選手たちに接した。でも後から映像で確認したら、明らかにオフサイド。得点に絡むプレーだっただけに、審判が試合を左右する怖さを経験した。

 いいこともあった。

 高校生の審判は珍しいので、試合会場でも目立つ存在になっていて、サッカー関係者の知り合いが増えた。街で歩いていて、「審判をやっていたよね」と声をかけられたこともあった。

 中学の公式戦では、母校の後輩たちの試合を主審として裁くこともできた。
 小学生の全国大会で2試合、笛を吹いたこともあった。大会での審判のレベルが高いことに落ち込みながらも、審判仲間をたくさん作ることができた。

 どれも選手を続けていたら絶対にできない経験だった。
 審判として、サッカーに関わる幸せを感じていた。

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