[高校サッカー 心を揺さぶる物語]審判になった高校生-後篇-
[高校サッカー 心を揺さぶる物語]全国で本当にあった涙の青春ストーリーを紹介します
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■父からの言葉
これでミスをすれば自分が恥をかくだけでなく、両親にも恥をかかせることになる。
自分にプレッシャーをかけようと思った。
試合はスムーズな展開で、この流れをなるべく崩さないようにと、試合に集中していた。前半はノーホイッスル。笛を吹く必要がないと自分で判断してゲームをしっかりとコントロールできていた。
後半には反省点もあったけれど、試合終了までの70分間、主審としての仕事をやりきった。
こうして僕は高校生のうちに、高校生の試合を裁くことができた。
試合後には両親と3人で写真を撮った。
初めての審判姿での家族写真になった。
「主審としてよくやった。立派だった。誇らしかったよ」
父からの言葉だった。
サッカー部を中途半端な形で辞めてしまった僕のことを、両親や監督やマサシなどたくさんの人が応援してくれた。審判の道を歩むうえで、同級生への劣等感ややりにくさを感じたこともあった。
そんなとき、みんなの応援がどれほど心強かったことか。
でも、審判としての人生はこれから。
将来的にはさらに上のレベルの資格を取得するつもりだ。
中学生のときに宣言した「国立のピッチ」に、主審として立つことを目指して――。
[おわり]