[高校サッカー 心を揺さぶる物語]審判になった高校生-後篇-
[高校サッカー 心を揺さぶる物語]全国で本当にあった涙の青春ストーリーを紹介します
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■選手交代のときに送ったエール
審判として経験を積んでいき、僕は高校3年生になった。
選手権の予選がはじまる時期になっていた。
僕はまたマサシがいる高校の試合を担当することになった。この試合は、第4審判すなわち予備の審判だった。
マサシは、以前の練習試合ではスタメンだったのに、今回はベンチにいた。
試合はマサシの高校が劣勢で、後半になるとマサシが交代で入ることになった。背番号は「22」。
どうやら本職のディフェンダーではなく、パワープレー要員のフォワードとしての交代だった。
選手交代のボードを出すのは僕の役割だった。
僕はマサシのスパイクチェックをしていた。
高校最後にもなるかもしれない試合で、本来とは違うポジションでの起用。マサシの複雑な思いが伝わってきた。
話をしてはいけないのはわかっていたけど、元チームメイトとして声をかけずにはいられなかった。
「お前、絶対点取ってこいよ!」