【ユースプレーヤー成長記】声を出し続けてきた誇り。三浦学苑3年・阪井豪希が見つけたピッチで生きる道

小学生時代に決して目立った成績を残した選手ではないものの、中・高でサッカーを続けながら3年生で三浦学苑のレギュラーとなった。そんな右サイドバック・阪井豪希選手に注目した

山本浩之| Photo by 山本浩之 Hiroyuki Yamamoto|シリーズ:ユースプレーヤー成長記

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慶應の左サイドにハードワーカーをぶつけた三浦学苑

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三浦学苑の3年生・阪井豪希選手
Photo by 山本浩之 Hiroyuki Yamamoto

 10月22日(土)に、『第95回全国高校サッカー選手権大会神奈川県予選会』は2次予選の3回戦が行われた。三浦学苑は、今夏の全国高校総体で神奈川県代表となった慶応義塾高校と対戦。県内屈指のレフティー・柿沼亮祐を擁する慶應義塾の攻撃を封じて準々決勝進出を決めた。今回は、そんな奮闘した守備陣の一角である右サイドバックに起用された22番・阪井豪希に注目した。

「慶應はサイド攻撃が強いので、ウィングをしっかり抑えることを考えました。右サイドハーフの川崎(凌)と、しっかり声で連携しながら、どっちが行くかを確認しあって守備をしていました」(阪井)

 阪井はハードワークを惜しまない選手だ。元々はフォワード。高校3年になってからディフェンスにコンバートされた。

「1対1には自信があります。(サイドバックになって)最初は困惑したこともありますが、フォワードを経験していたことで相手選手の考えや動きがわかるんです。そういうことを考えられるようになってから、むしろ自分の強味だと自信をもって守備に取り組めるようになりました。ポジションについての拘りはありません。守備で使ってもらえるのなら守備で貢献したい。自分は与えられたポジションをやるだけです」(阪井)

 はっきりとした口調で阪井は話しをしてくれる。熱戦を終えたばかりの横須賀リーフスタジアム。場外に広がる公園は、引き上げてきた三浦学苑の選手たちと家族やクラスメイトが喜びを分かち合っていた。こうした賑わいのなかでも阪井の声は聞き取りやすい。試合のなかでは誰よりも積極的に声を出す選手だ。

「チームの雰囲気をよくするために声を出して、みんなを盛り上げることを意識しています。みんなを元気づけていいプレーに繋げていくことを考えています」

 三浦学苑サッカー部を指導する枝村隼人監督は、阪井豪希を次のように評する。

「献身的に守ってくれますし、一つひとつのコーチングを一生懸命やる。最後の最後まで諦めないで頑張り続けることのできる選手です。まだまだなところはありますが、1年生のとき、ここまで上がってこられるような選手ではなかった。随分と成長しました。トップチームには春先の3月くらいから入れるようになったんですが、最初のうちは試合にも出られなかったですし、遠征に帯同しても出場機会は少ない。そういうなかでもチャンスを掴もうとあきらめなかったことが、今につながっているんだと思います」

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