[高校サッカー 心を揺さぶる物語]審判になった高校生-前篇-

[高校サッカー 心を揺さぶる物語]全国で本当にあった涙の青春ストーリーを紹介します

監修・執筆 安藤隆人| Photo by Editor|シリーズ:[高校サッカー 心を揺さぶる物語]

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■やっぱり僕はサッカーが大好きだった

 しばらくサッカーから離れようと思った。
 だけど、1週間もすると中学校の後輩を呼び出してボールを蹴っていた。知り合いを通してフットサルのスクールコーチを引き受けて、幼稚園の子どもたちと遊んだりもした。

 やっぱり僕はサッカーが大好きだった。
 もっとサッカーと関わりたいと思うようになっていた。

 そのときに思い出したのが、中学時代に取得した審判資格のことだった。
 中学3年生のときの担任の先生に勧められて、サッカーに関係あるならいいかなと、軽い気持ちで審判の資格を取った。試合でも何度か審判を務めていて、オフサイドを取れたときの嬉しさや、審判として試合に参加する楽しさがあった。

「審判を本気でやってみよう」

 選手の道をあきらめた僕だけど、真剣に審判に取り組んでみようと思った。
 だけど、どうすればいいのか。

 気まずさがあったものの、思い切ってサッカー部の監督に相談してみた。

「僕、審判をやりたいんです」

「そうか、そういう道もおもしろいかもな。審判部長を紹介してあげるから、電話してみい」

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