【U-19日本代表】受け継がれたG大阪司令塔の遺伝子。遠藤保仁のスタイルを受け継ぐ市丸瑞希の活躍

準々決勝で巡ってきたチャンスを生かし、ゲームメイクを託された市丸瑞希が輝きを放った。堂安と同じくガンバ大阪の若き才能について綴る

安藤隆人| Photo by 佐藤博之 Hiroyuki Sato , 安藤隆人 Takahito Ando

スポンサーリンク

勝負を決めた2本の『優しいパス』

 試合を決定付けた2本の『優しいパス』。この姿に同じG大阪でプレーをする遠藤保仁と重なって見えた。そのことを試合後に本人に伝えると、「そうですね、中学の頃からスタジアムでずっとヤットさんを見て来て、自然とそういう風になって行ったのかなと思います」と答えた。

 市丸にとっては偉大な存在であり、憧れの存在。自然と視線を奪われて行った選手と、今は同じチームでプレーしている。全体を見渡し、受け手の動きを見逃さず、次のプレーがしやすいボールを送り込む。遠藤の姿はいつしか自分の自然の姿としてプレーに投影されていた。

 現在の姿は彼のある自己認識がベースにあった。それは中学時代から客観的な姿勢を持ち続けたことによる、自分が将来生き残って行くための術であった。

「ジュニアユース時代はもっと自分でシュートを狙っていたりしたのですが、ユースに上がって、周りとの能力の差を感じたんです。自分は周りに全然追いつけていなかったので、まずはチームのために自分に何が出来るか、どうすれば自分の特徴を生かすことが出来るかを考えるようになりました。今も点を取ることはこだわっていますが、一番チームとして得点をする確率の高いプレーをしようと心がけています」

1 2 3
PAGE TOP ↑