【ユースプレーヤー成長期】サッカー少年に”憧れ”を与える使命。桐光学園3年・鳥海芳樹が歩んだ過去

全国高校サッカー選手権大会における神奈川県代表の桐光学園。攻撃を操り、10番を背負う鳥海芳樹が成長を遂げてきた少年時代の原点を訪ねてみた

山本浩之| Photo by 山本浩之 Hiroyuki Yamamoto|シリーズ:ユースプレーヤー成長記

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■日本一への挑戦とサッカー少年に”憧れ”を与える使命

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桐光学園における攻撃の軸である鳥海芳樹、ドリブルやパスを駆使して攻撃を彩る
Photo by 山本浩之 Hiroyuki Yamamoto

 全国大会の夢は高校で、それも日本一を目指すと決めた鳥海。桐光学園を選んだきっかけは何だったのだろうか。そこには、ひとりのJリーガーの存在があった。

「自分の6つ年上の村岡中の先輩で、桐光学園に進学してフロンターレに入団した選手がいるんです。その選手に憧れて桐光学園を選んだんです」(鳥海)。現在はコンサドーレ札幌に期限付きで移籍している福森晃斗選手のことだ。福森は鳥海の兄と中学の同級生。そんな縁があった。「(福森選手とは)直接しゃべったことはあんまりないんですけれど、去年の選手権のときにLINEで「がんばれよ!」って言葉をかけてもらいました」(鳥海)

 身近にいる憧れの選手からのメッセージは鳥海にとって、このうえないパワーになったことだろう。だから、自分もそんな選手になりたいんだと鳥海は言う。

「今の目標として、選手権の優勝というのはありますが、サッカー選手としては、自分のプレーをみた観客や子どもが『サッカーをやりたい!』とか『あの選手すごい!』って思ってもらえると嬉しいんです。やっぱり声援や応援はモチベーションがあがりますし、辛いときにも足が動くんです」(鳥海)

 そんなことを選手権の決勝が終わったあとに鳥海に聞いたのだと、鴻野総監督と 河原崎コーチに話した。やがて二人のインタビューを終えてから、雨のやんだ秋葉台公園球技場のグラウンドでサッカーに取り組むトレセンの小学生たちの姿をしばらく追っていると、「今日は、ここに村岡の6年生の子たちが二人いるんですよ。あの5番の子ともうひとりはあそこにいるかな」と鴻野総監督が声をかけてくれた。「トリ(鳥海)の後輩ですよ」そう教えてくれた。村岡キッカーズの角井優吾くんと三繩陸人くんだ。鳥海のことを取材しに来たのだと二人に言うと、「もちろん(鳥海くんのことは)知ってます。もう、顔を見ただけでサッカーが上手そうなのがわかる。憧れの先輩です。僕も桐光学園を目指してる。選手権の応援は絶対に行きます!!」と興奮気味に答えてくれた。

 その桐光学園は、12月31日(土)に選手権の一回戦を等々力陸上競技場で長崎総科大附属を迎え撃つ。川崎市に校舎を構える桐光にとって、等々力はまさにホームグラウンド。鳥海芳樹はサッカー少年のヒーローになることができるだろうか。キックオフは12時5分を予定している。

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